さて今回は、『難問だけどクセになる良問シリーズ』第3弾!中3数式編でお送りします。
今回の問題は、「式の値」です。
この「式の値」という単元は、1年、2年、3年と登場します。
しかし、3年の問題から新たな解き方が含まれてきます。
今日はそういった問題です。
では、今日の問題です。
問.$a+b+c=0,abc=-4$ のとき,$(a+b)(b+c)(c+a)$の値を求めなさい。
いかがでしょう?
では、解説していきます。
【解説】
$a+b+c=0$のとき,
$a+b=-c$,$b+c=-a$,$c+a=-b$が成り立つので,
$(a+b)(b+c)(c+a)$
$=(-c)×(-a)×(-b)$
$=-abc$
$=-(-4)$
$=4$
よって、答えは4となります。
特にポイントとなるのは、 『$a+b=-c$,$b+c=-a$,$c+a=-b$が成り立つので,』
この発想ですよね。
数学がなかなか伸びない人は、こういう問題の解説を読んで、
『こんなんひらめかんわー』と思うでしょう。
マスムネも、そっち側の人間でした。
なんでこんなこと思いつくの?
というか思いつく人いるの?
なんて思ってました。
しかし、いざ数学を教える立場になってみると、色々わかってきたんです。
応用力、ひらめきを身につけるために、押さえておくべきポイントがあるんですよね。
数学の問題練習で、大切にするポイントはズバリ、
『この問題の解き方は、どのように他の問題に活かせるのか』という視点をもつことです!
今日の問題の解き方は、どのように他の問題に活かせるのか?
それは、
『与えられた値($a+b+c=0$,$abc=-4$)を、与えられた式($(a+b)(b+c)(c+a)$)に代入できるようにすること』
です。基本問題なら$a=○,b=△,c=□$と値が与えられるんですが、今回は$a+b+c=0$,$abc=-4$と与えられている。
ここで考えるのは、これらを代入できるようにすること。方法は2つ!
①値の式の方を変形するか
②与えられた式の方を変形するか。
今回は①でした。
ちなみに、対称式の問題は②の方法ですね!
こんな感じで、一つひとつの問題に宿る、他の問題に応用できるエッセンス(略してOS)を抽出する作業が、数学力を伸ばす作業になります。
これを理解していないと、数学の勉強がパターンの暗記になり、一定のレベルまでしか伸びなくなります。
ぜひご参考にしてください。
最後までご精読ありがとうございました。
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